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Identity Rewinder

自分に居場所があったことを
再認識させるきっかけについて。



引退して1年9ヶ月ほど経つ父を訪ねて
元部下の方が転職だか退職だかのご挨拶をしに
わざわざ家までいらっしゃった。
その一件を
『急にごはんを用意することになって大変だった話』
として母から聞いた。
父はOBが現場に顔を出すことを
よいと思っていないタイプなので
あちらが出向いてくださったのだと思う。

母を労いつつ
久しぶりに上司の顔ができて
うれしそうな父の様子が想像できたので
「まぁどんなにがんばっても
私たち家族は部下を演ってあげることは
できないからねぇ」と何気なく言った。

それで気づいたのだけど
失ったり離れたりした居場所にいた頃の自分を
思い起こさせてくれる人がいるというのは
とてもステキでありがたいことだ。

幼なじみと思い出を語り合って
ただ昔を懐かしむのとはひと味ちがう。
もっと自分の役割みたいなものを
じんわり内側から感じられるような気がする。
自分のやってきたことも
その場所をすでに去っていることも
すべてを肯定的に受け入れられそうな気がする。

私にくっついているいろいろな名札は
今までもこれからも新旧交代を繰り返す。
自分が外した名札を拾って届けに来てくれる人が
私にもいるだろうか。
その人が訪ねてきてくれたとき
別の道を進んでいる堂々とした姿で会えるだろうか。
がんばっておかなきゃいけないなぁ。

父が上司に戻った日に
母も上司の妻に戻った。
それ、いいなぁ、と思った。

by emi_blog | 2010-03-24 17:49 | その他 | Comments(0)  

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