『英語に関する調査』

『英語求人数、前年比2.37倍』という調査結果が
やたら注目されている。



しつこいようだがデータというものは
いろいろに読めるはずなので
誰かの読み方を鵜呑みにしないで
ぜひ元の資料を見るようにしていただきたい。

いろいろと思うところはあるが
あえて一つだけ挙げるなら
“現在のレベル”と“将来目標とするレベル”の比較。

回答者全体の82.8%という多数が
英語学習について「特に何もしていない」けど
同じく全体の70.8%というかなり多くの人が
「将来は日常会話レベル以上の英会話ができることを
目標にしている」らしい。

まぁ目標は自由に持てばいいんだけど
これだから
『ある朝目覚めたらペラペーラ』の売れ行きが
止まらないんだろうな。

この比較自体の目的も不明確だし
各レベルの定義もないし
どのレベルの人がどこを目指しているか内訳がないので
要するによくわからないのだけど
“将来の目標”が現在のレベルより下、というのは
普通は考えにくいから
「向上心」というのは言いすぎだとしても
「英語ができたらいいなぐらいの気持ちはある人が多い」
と読むのが妥当だろう。

でもさ。
私なんかは日本に帰って
ひょっとして運良く英語と関係ない仕事に就けたりして
将来は「英語がまったくできない」に入ってたら
それはそれでうれしいよね。
目標は自由に持っていいんですから。

個人的には
「将来も英語がまったくできない」と答えた23.0%の人に
大きな拍手を送りたい。
だって“将来の目標”なんていう
ひっかけ問題的な聞き方をされて
「まったくできない」を選ぶのは根性あるよ。
この人たちは英語学習にありがちな無駄に
巻き込まれる危険性がない。
こういう英語学習完全拒否派の意志の強さや潔さは
もっと見習われるべきだ。

とにかくこのニュースはオンラインで見る限り
あちこちで取り上げられていて
メディアによっては
「今がチャンス」「これを逃すな」と煽り気味だったり
「英語をがんばっておけば
転職市場で頭ひとつ抜け出すのも案外簡単かも」なんて
拡大解釈しているのまである。

そういえばほんのひと月あまり前には
転職における語学力の有効性』という調査で
「外国語ができるといってもよほど高いレベルでないと
他の応募者に差をつけることはできない」
というちょっと極端と思える解説がついていた。
「外国語はスキルのひとつにすぎないのだから
それだけができても通用しない」と
数字のわりにずいぶん厳しいご意見。

“外国語は転職に有利”という通説を
ますます促進させる調査結果と
それに疑問を投げかける調査結果が
同じ会社から出されてるっていうんだから
世の中は不思議だね。
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by emi_blog | 2010-09-04 12:38 | 英語  

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