自由の国

“自由”の国、について。



「日本よりアメリカの方が暮らしやすい」
という人にその理由を尋ねると
世間体など人間関係について
ざっくりまとめて「アメリカの方が気楽」
となるような答えが返ってくることが多い。

先日会った人も
「日本人は言いたいことも言わず
内に内にストレスを溜め込むが
ここでは自由に何でも言える」という理由で
アメリカが大好きなんだそうだ。

言いたいことを、何でも?と確認したら
「だって言わなきゃ負けちゃうじゃないですか」
と爽やかにおっしゃった。
彼の目に映るアメリカはそういう国で
それで彼が救われたのならば
よかったね、というより他にない。

こういうタイプの人は
アメリカを相手に盲目的な恋ができるし
恩義があるから忠誠心も生まれる。
できるならもう日本には帰らないで
ずっとアメリカにいた方がいい。
せっかく勝ち取った“自由”をまた奪われるから。

日本でじゅうぶん“自由”に生活している人は
アメリカを含む外国に出ると“自由”が制限される。
要するに
母国で言いたいことを100%言っている人には
それ以外の場所で“自由”が増える可能性はないが
逆に政治的または個人的な理由により
母国でたとえば25%しか言えていない人が
外国に来て50%も言えるようになれば
“自由”は倍増したように見える。
お得ぅ。

そもそも外国人に言いたい放題を許している国なんて
植民地でもなければありえない。
言葉も文化も習慣も違う土地で
選挙権もなくろくに税金も納めていないようなガイジンに
その国の人と同じような振舞いが許されるはずがない。
一時的にお邪魔している余所者として
私はアメリカで不自由を教わったと断言できる。

ゴマすり、本音と建前、根回しや
長いものに巻かれる技などを
私はアメリカで初めて経験させてもらった。
おかげさまで言いたいこともずいぶん言わなくなった。
日本に帰れば少しは“自由”が増えるけど
もう二度と100%には戻れないと思う。

ついでにいうと『アメリカ』とひとくちに言っても
どこで、どんな種類の人と交わるかによって
印象も体験談も大きく異なる。
階層というのは語弊があるが
社会的な立場のある人はわきまえることを知っている。
金銭に絡む駆け引きもある。
それはどこの国でも同じこと。
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by emi_blog | 2010-11-06 04:00 | 文化  

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