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日本からの帰り道で
手荷物に関してちょっとしたトラブルがあった。



かいつまんで言うと
前日カスタマーセンターに問い合わせた内容が
チェックインカウンターで受け入れられず
結局、国際郵便を使うことになった。

私はオペレータ業務もカウンター業務も経験があるので
この手の食い違いについてはよく知っている。
カウンターでゴネたところで
私にも航空会社にも何のメリットもない。

オペレータがどこを確認し忘れて
誤案内にいたったかはすぐにわかった。
これもよくあるミスの類。
オペレータ個人を責めても仕方がない。

この状況で私のストレスを最小にとどめるには
カウンターの指示どおりに事を進めて
フライト前の貴重な時間をこれ以上削らないこと。
不機嫌なまま日本を発つなどという愚かな行動は避けること。
気持ちを切り替えたおかげで
最後のランチをおいしくいただき
機内では楽しい出会いをもつことができた。

とはいえ会社はこの件を知る必要がある。
長いフライトを利用してこれをどう伝えようかと考えた。
事実を簡潔に説明すること。
今後のサービス向上に貢献できる伝え方をすること。
そしてなにより
日本名物の悪質なクレーマーにならないように気をつけること。

こういうとき、感情的なお客はすぐに電話を入れてしまうが
それは得策ではないと思う。
まず、たまたまその電話に出たオペレータが気の毒。
自分のミスでもないのに代表で叱られ
耳で聞いた話を文字に起こして上役に報告するという
面倒な仕事をかぶることになる。
一人のオペレータを一つの案件に長く拘束させると
カスタマーセンター全体の稼働率が下がり
他の客の迷惑にもなる。

そして、“クレーム”として成功しない可能性が高い。
センターの上役に“クレーム”が届くまでに
オペレータの聴解力と文章力という
得体の知れないフィルターをわざわざ二つもかけるわけだから。
理不尽に文句を浴びせられながらも“クレーム”を冷静に聞き取り
客の言いたいことをうまく再構成して
上役にレポートできる有能なオペレータは残念ながら多くない。

私はいちおう会話分析を専門にしている。
“クレーム”処理にあたりコミュニケーション的に崩壊する通話を
いくつも見てきた。
会話はそこに参加する両者の協力関係によって構築されるもの。
相当に論理的な客とスキルの高いオペレータが出会わない限り
電話での会話は“クレーム”を処理する手段として適当ではないと思う。

というわけで翌日、航空会社のウェブサイトからメールを送った。
食い違いの内容を提示し、ミスの原因を指摘した。
アカウントなり通話記録なりを調べてもらい
社内で事実確認をしてもらえばいいのだから
長々と詳細を書く必要などない。
カスタマーセンターでの周知徹底をお願いした。

7時間後、返信が届いた。
対応が迅速な時点で誠意が感じられる。
そして内容も丁寧で大いに納得できるものだった。
一件落着。

この航空会社とはまだしばらくつきあっていかなくちゃならないので
ガッカリさせられたらイヤだなぁと少し心配だったが
そうならなくて本当によかった。
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by emi_blog | 2011-07-23 21:11 | その他  

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