数字と言語

『数字』シリーズ。
どっぷり文系となった現在の私と数字のこと。



私の脱・数字の提案
takさんが膨らませてくださったおかげで(記事参照
そういえば私には数字系時代があったと思い出すことができた。

さらに『語呂合わせ』や『英語と数字』など
数字を言語に置き換えることについて考えてみた。

都合のいいことに、近くに“どっぷり理系”がいたので
「語呂合わせって使う?」と聞いてみた。
「使わない」だそうです。
それはもう、はっきりと、きっぱりと「必要がない」とのこと。
やっぱりね。

数字系だった頃を思い起こすと
私もそのときは語呂合わせを必要としていなかったような気がする。
歴史の年号など、最初から語呂とセットで紹介された一部を除いて
基本的には数字を数字のまま記憶できていたと思う。
語呂合わせを使うようになったのは
中学で数字から離れることになった後のことだろう。
デジタルからアナログへ移行したんだね。

やがて日常的に数字を言葉に置き換える癖がつき
だんだん早く、巧い語呂が作れるようになった。
大学時代の自宅電話番号・パスポート番号・学籍番号などは
語呂のおかげで今でもすらすら言える。
一時もっていた携帯電話番号の語呂は友人たちの間でも好評で
電話番号を変更したときにはずいぶん惜しまれたものだ。
(知っている人向け:010で始まるヤツです)

というわけで私は語呂合わせが好きだし便利だと思っている。
が、うっかり日本語圏外に出てしまうと語呂は使い勝手が悪くなる。
そのため、ここ5-6年で私の生活に新規参入した数字の羅列は
①語呂(日本語) ②数字のまま(日本語) ③英語…と
記憶のされ方にバラつきがある。

たとえば留学初日から使い始めた学生IDの6桁の数字。
最初に日本語で語呂をつけてしまったので今でも語呂でしか言えない。
①のパターン。
自分で書いたりタイプするときは語呂をつぶやいていればいいけど
英語で誰かに伝える場合は、語呂を数字に換えて
紙があれば実際に書いてそれを英語で読みあげる
…という具合で手間がかかる。

②数字のままのパターン。
これに気がついて自分でも驚いたのだが
私は現在使っているクレジットカード番号16桁を数字のまま覚えている。
ついでにセキュリティコード3桁も覚えているから
たとえばネットショッピングなんかは手元にカード現物がなくてもできる。
カード会社勤務時代の“読み上げ”が影響しているのか
単にカード番号を入力する機会が多いから覚えてしまったのか。
なんにしても16桁なのに、すごい。
ただし記憶しているのは日本語数字なので
英語で伝える場合は①と同じようにいったん書き出さないとダメ。

③の英語パターンは自分の電話番号。
これは英語でしか言えない。
書いたりタイプしたりするより口頭で伝える機会が多いせいだろう。
そういえばこれを日本語で言ったことがなかったのでやってみると
…できない。
英語の読みをいったん数字に直して、日本語で読み上げる…という
①②とは逆の、同じような二度手間になる。
でもこれは練習すればきっと日本語で言えるようになると思う。
なんてったって第一言語ですから。

数字と第一・第二言語の関係については
以前教えていたクラスでディスカッションになったことがある。

『第二言語習得』という、ESL教員免許取得のために必修のクラス。
学生の第一言語は7割ぐらいがアメリカ英語または英語+スペイン語。
残りはイタリア語、フランス語、ポーランド語、韓国語、中国語など。
外国人の英語は少なくとも大学院で使えるだけのレベル以上。
アメリカ人もほぼ全員、第二言語の経験があった。

そのクラスでCode switchingかなにかの話をしているときに
Mが「数字だけはどうしても第一言語になる」と言った。
Mはドイツ語が第一言語のスイス人で子どもの頃にアメリカへ移ってきた。
発音はややヨーロッパ風を感じさせるが英語は“ネイティブ”。
その彼女が「他のことは英語の方が早いけど、数字だけはドイツ語」と言い
他の学生もそれに続いた。
アメリカへ来てまだ日の浅い留学生が
「それは自分の英語がまだまだだからだと思ってた」と言うと
「いや!何十年経ってもそこは変わらないよ」と別の学生が言う。
フランスやスペインに語学留学したことのあるアメリカ人も
「そういえば数字だけは英語かも」。
あとは「自分の生徒のXX人もいつも数字だけは母語」という目撃証言が続々。

日本語が母語である講師の私も賛同して終わっちゃったんだけど
そこで上記①②③の例をアドリブで出せていたら
ディスカッションはもっとおもしろくなっただろうなぁ。
残念ながらそのときは思いつかなかったんだよね。

今回これを書くに当たりざっくり調べたところ
『第一・第二言語と数字』はあまり研究されていない様子。
というわけで論文ではなく、ブログやフォーラムしかないが
このラインで興味のある人のために資料を並べておく。

Languagehat "Mother Tongue"
下に続くディスカッションの体験談もおもしろい。

SOROSORO "Learning how to count in first language in order to improve counting skills in second"
第二言語で算数をやらなきゃいけない子どもたちは大変。

Yahoo Answers "What language do you use to count and do math with?"
謎は深まるばかり。
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by emi_blog | 2011-07-30 02:01 | 英語  

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