Router

インターネットつなぐときに要るやつ。
日本語では普通『ルーター』と呼ばれている。



先日の『プレゼンテイター』といい、
どうも外来語に目が行っているらしい。
なんでしょうね。
言語学(音韻学)に深入りする気はないので
そちらに興味がある方は他で議論してくださいね。

"router"は、おそらくRoute をどうにかするという意味なのだろう。
「どうにか」の部分はRouterの働きがわかっていないので
わかりようがないが
ネットワーク上のRouteを選んだりつないだり切り替えたり…と、
そのあたりのことじゃないかと想像する。

機能はさておき。
気になるのはその名前。

アメリカでは"router"を「ラウター」のように発音する。
'out' の発音は「アウト」であって「ウート」じゃないので
その前後に'r-' と'-er' が付けば「ラウター」となるわけだ。
なるほどね。

…というようなことを聞くと日本人の一部は
「大変だ。また和製英語だ。間違ってた。
今日からうちもラウターだ」と騒ぎだすかもしれないが
まぁそう慌てないで。
たとえばイギリス人は「ルーター」のように発音するので
日本語の「ルーター」は“正しい”発音と言える。

"route" の語源はフランス語の"rute" で発音は「ルート」。
これに'-r' が付いて「ルーター」というのは
シンプルだし論理的でもあると思う。
外来語として日本語に採用するとき
特に迷いもしなかっただろう。

アメリカ人は"route" は「ルート」でいいんだけど
'-r' が付いた途端に「ラウター」と読みたくなってしまう。
頭に're-' を付けた"reroute" も「リラウト」と言いたい。

ね?
ヨーロッパからアメリカに入った英語でさえ
アメリカ流に加工されて定着しちゃうんだよ。
日本語に入ってくる欧米その他からの輸入品に対して
原語に忠実に、と求めるのは無理があるでしょう。

ちなみに"en route/enroute" についてアメリカ人は
「エンラウト」と言う人もいないことはないけど
一般的には「オンルート('en' は/ɒn/ または/ɑ̃/)」のように発音する。
"on route" と書いてもよさそうのにそうはしないで
フランス語と英語の混ぜ書き・混ぜ読みを使う。
たまたまアルファベット同士だから日本人の目には留まりにくいけど
"en route/enroute" はアメリカで外国語として意識されているわけだ。
仮にこれに倣って日本語に外国語を混ぜるとすれば
日本語の中にアルファベットを混在させることになる。
実際、このブログなどではその方法を採用しているけど
日本全体でこれをやろうとしてもすんなりとは行かないだろうね。

以下、解決策の提案をもって
外来語の話からは手を引こうっと。

①外国から入ってきた語を、日本語に入れるときは
よく吟味してなるべくセンスのいい日本語に訳すこと。
すでに日本語にある語を安易にカタカナに代えたり
カタカナ語を増やして放置したりしないこと。

②カタカナを使って表現すると決めたときは
日本語の中に受け入れるんだという意識を持ち
日本語としてしっくり行くように適切な加工を施すこと。
原語の意味や発音から乖離していてもとやかく言わない。

③原語の意味や発音を忠実に伝えたいときは
文中に原語表記をそのまま取り込み
「外国語ですよー」とわかりやすく提示すること。
書き言葉であれば『アルファベット』、
話し言葉であれば、いわゆる巻き舌などの『イイ発音』が混ざることになるので
場面によっては鼻つまみにされる可能性が高いことを覚悟すべし。
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by emi_blog | 2011-11-02 04:24 | ことば  

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