大人思い

子どもはみんな大きくなりたい。
強く、たくましくなりたい。



もし大人もみんな
子どもに大きくなってほしかったら
子どもはみんな大きくなる。
大人が子どもに、強くたくましくなってほしかったら
子どもはみんな強くたくましくなる。

でも大人は
子どもに大きくなってほしいと完全には思えない。
子どもが大きくなるという予感がした途端、
大人は置き去りにされるような寂しさに襲われる。
本当はその寂しさを押し殺して
子どもが大きくなることに耐えなければならないが
大人の中にはその寂しさに勝てない人もいる。

大人が子どもに大きくなってほしくないと望めば
それは簡単に叶う。
子どもを強くさせないでおこうと思えば
それも簡単に叶う。

たとえば子どもの行く道を先回りして
つまづきそうな石ころをぜんぶ取り除いておけばいい。
アップダウンの激しい道は平らにならしておけばいい。
なんなら心配そうな顔を見せて
「危ないから止めておいたら」と言えばいい。

大人はずるいから
自分が寂しくなるくらいなら
子どもの道を曲げることも閉ざすことも平気でやる。
子どもをいつまでも傍に置き
頼られることで自己の存在を確認していたいのだ。
自分の安心を維持するために
「守る」という名目で子どものチャンスを奪う。

子どもは優しいから
大人に寂しい思いをさせてまで
大きく強くたくましくなろうとはしない。
どんなに成長したい気持ちがあっても
大人に見つからないように、その気持ちをこっそり捨てる。

大きくなりたかったけど
強くたくましくなりたかったけど
大人を悲しませたくないから仕方なくあきらめた。
そういう大人思いの優しい子どもがたくさんできた。
彼らは大人が望んだとおり
誰かに守ってもらわないと生きていけないようになった。
一人では何もできないまま、年齢だけを重ねた。

大人が我慢しなければ
犠牲者はどんどん増える。
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by emi_blog | 2012-01-26 16:27 | その他 | Comments(0)  

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