Doubt

ものすごい“そもそも論”だけど
日本人に英語教育なんて要るんだろうか。



“9割”かどうかはともかく
日本にいる日本人のほとんどは英語を必要としない。
中途半端にかじった学習者を増やすことは
英語力の向上になんら貢献しないどころか、有害でさえある。
個人的、短期的には時間・労力・お金の無駄になる。
社会的、長期的には「せっかくやったのに」という、
日本人お得意の反省と後悔の材料を増やして学ぶ意欲を削ぎ、
根拠のない英語・英語圏文化崇拝を加速させ、
英語屋産業の不当な心理的揺さぶりや荒稼ぎが止まらない。

英語圏に住む日本人についても
ほとんどは日常生活レベルの英語力に到達すれば満足できる。
そしてしばらく住んでさえいれば、特にがんばらなくても
日常生活には困らなくなるから英語学習は要らない。
学習者が意欲的に学習し、英語力を伸ばすのは滞在初期、
あるいは入門から中級にかけてのみで、
これは日本にいる日本人と大差がない。

そして日常会話程度の言語能力と
数年の英語圏での生活経験を引っさげて日本へ“凱旋帰国”すれば
さほど苦もなく英語を教える人になれる。
運良く配偶者が青い目でもしていれば、英語屋として立派に成功できる。
教育や学習、本当の意味での英語力や国際感覚とは無縁でも
ホビーとしての英語や異文化体験ぐらいは提供できるからね。
日本人の多くはその程度の体験が目標だし
帰国者にとっては楽して儲かるおいしい商売だから
需要と供給のバランスがよいというわけだ。
そのバランスが取れているうちは、本質的な問題には触れないで
仲良く楽しく穏便にやり過ごしていけばいい。

これらの“一般学習者”を除くと
本当に英語力を必要とする日本人はほんの一部しか残らない。
特殊な環境で、主に業務のために
“通じる”以上の英語を使わざるを得ない人たち。
受験英語も資格試験もパスして、まだ学び足りない人たち。

この人たちには意欲も必要性も備わっているのだが
残念なことに彼らは本業が忙しすぎて
腰をすえて英語学習に取り組むことができない。
「もっと英語ができたら」と感じる場面はあっても
業務上の他の能力で言語力をカバーできてしまうから
どうしても英語学習は後回しになる。
第一線から退けば英語を学習する“ヒマ”も生まれるが
皮肉なことに暇つぶしで伸びるほど言語習得は甘くない。

英語学習をやるヒマがあり、かつ意欲と必要性を保持できるのは
国際的な舞台で活躍する人材の予備軍たち。
たとえば大学・大学院で学ぶ学生や
研修の費用や機会に恵まれた若きエリート。
この宝石より貴重な資源は、どこの国でも
国全体が全力を挙げて大事に育てていかなくてはならないのだが
今の日本にはそういう危機感も真剣みもシステムもない。
たとえば彼らが必死で英語力を身につけても
日本にはそれほどの高い能力を生かす場がない。
彼らに与えられる選択肢は、二つ。
日本を離れて厳しい環境に身を置き
自分をさらに成長させてくれる場所を探すか、
日本で求められる程度の能力に留めて、努力を減らすか。
イマドキの“賢い”若者は後者を選択することが圧倒的に多い。

だとすると
私はいったい誰をターゲットに、何をしようとしているのか。
閑古鳥が鳴くのがわかっていて店を開くようなものじゃないだろうか。
実入りのない自己満足でもいいけど
そのわりに、開店準備に手間をかけすぎじゃないだろうか。
自己満足にしたって
誰にも求められず、役にも立たずで、
果たして健全に保っていくことができるだろうか。

以上、宙ぶらりんな時期に思い詰めると
ろくなことを考えない、という記録。
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by emi_blog | 2012-05-09 17:10 | 英語  

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