雪かきと皮むき

安易な情報の横流しと
丁寧な情報の咀嚼について。



小田嶋隆さんが
ネットで掬った情報をよく確かめもせず右から左へ流したり
意味もなく拡散させたがる傾向について論じておられる(参照)。
情報に触れてから他者に伝えるまでの間の作業を
「雪かき」あるいは「皮むき」などの下ごしらえに喩えて
その工程を省くことによって作り手の基礎技術および
センスが失われると警告する。

ふむ。
これ、いろんな切り口で議論ができそうだね。

たとえば一般人のこと。
昨今の一般人はなぜそんな上っ面の薄っぺらな情報を
急いでたくさん交換する必要があるのか。
なにを焦っているのか。
なぜ流れてきたものを止めることができないか。
情報の信憑性を推し量る本能的な能力に何が起きているのか。

たとえばメディアのこと。
彼らのプロ意識はどうなっているのか。
利用している情報をすべて本気で「使える」と思っているのか。
それとも「使えない」と知りながら仕方なく使っているのか。
「使える」情報を発信する気はあるのか。
丁寧にウラを取り、正確な情報を伝えようとする者のことを
どう思うか。

たとえば研究者のこと。
先行研究を読み、仮説を立て、研究計画を立て、データを採り、
それをほどき、解釈を揉みこみ、第三者の確認を取る…など、
「皮むき」に膨大な時間と労力を費やしている研究者やその卵たちは
速く浅い情報が大量に行き交う社会の傾向に
どう折り合いをつけていったらよいか。
自らの仕事に誇りを持ち続けていくにはどうすればよいか。

さあ、みんなで考えよう。


小田嶋隆 (2012) 『じゃがいもの皮を剥く暇を与えよ』 日経ビジネスデジタル 2012年11月5日号
Retrieved on Nov. 5, 2012 from http://business.nikkeibp.co.jp/article/NBD/20121102/238934/?ST=pc

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by emi_blog | 2012-11-05 04:19 | 文化  

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