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自分のことってなかなかわからない。
他人に理解されているかどうかも、なかなかわからない。



ある日ママがキッチンに立っている時に
いたずらを思いついた。
ママは背中を向けているから大丈夫。
こっそりいたずらを始めると、偶然ママが振り返って
「どした?」と聞く。
平静を装って「何でもないよ」と答える。
ママは「あ、そう?」と言ってまたキッチンに向かう。
ほ。バレなかった。

ある日キッチンに立っていると、
背後で子どもが何かやっている気配がした。
さっきまでつぶやいていた独り言をやめて
急に静かになったので、振り返って確認した。
「どした?」と聞くと、慌てて「何でもないよ」と答えた。
うちの子は普段こんなに早口ではない。
必要以上に目を見開いて、ほっぺが赤くなっている。
ははーん、いたずらだね。
「あ、そう?」とだけ言って、今回は見逃してやった。
これも大事な成長過程のひとつだからね。

自分と他人の関係って
こんなもんじゃないのかな、と私は思う。
いたずらでも、嘘でも、弱点でも、失敗でも、
見せたくないところや知られたくないことを
「隠し果せた」なんて思っているのは自分だけで
実は周りの人はすっかりお見通しなんだと思う。
とっくに感づいていて、そのうえで見逃してくれているのだと思う。

さらに、自分には見えていない自分のことが、
いつの間にか自分からにじみ出てしまっていて
自分以外の人にはバレッバレということもあると思う。
裸の王様みたいにね。

それでも人は、特に大人は
立場上、どうしても強がったりハッタリをかましたりしなくちゃならない。
そして、そういう人をそっと見守り、“隠し事”に気づいてもスルーして
メッキをはがさないように、面子をつぶさないように気を遣うのが、
大人の対応、大人同士のつきあいである。
お互いさまだからね。

そうやって大人は大人をなんとか保っている。
無理をして、背伸びをして、突っ張っている。
大人の社会とは、そういうものである。

だからこそ、本当に信頼できる人には
自分の弱いところを打ち明けたくなる。
そして、「大丈夫、わかってるよ」と言ってもらうと
胸のつかえが下りて、涙がぽろぽろ零れる。
バレていたんだとわかると、ほっとする。
一息ついて、また社会で頑張る元気が沸く。

ホームとアウェイ。
そういう場所を持っている人は幸せだと思う。
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by emi_blog | 2013-02-22 05:22 | その他  

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