風景

子どもを持つということ。
持たないということ。



作家の川上未映子さんがこう言っていた。
「子どもを持ってしまったら見られない風景が
あるんじゃないかな」。

「子どもという特別な他者を持たないからこそ得られる
磨き抜かれた視線というものがあるとすれば
それは子どもを生んでしまった私から永遠に失われた」。

そうなのだ。
子どもを生んだ女性と生まない女性。
二つの世界にはそれぞれに素晴らしいところと
耐え難いほど辛いところがある。
メディアが垂れ流す情報を鵜呑みにしていると
あたかも両方の良いところを手に入れることが
可能であるかのような幻想に陥るが
そんなことは絶対に不可能なのだ。

子どもを持つ人には持つ人の、
持たない人には持たない人の人生がある。
両方のいいとこどりはできないが、幸いなことに
両方の辛いとこどりもしなくて済む。

ひとりっこの私が子どもを持たないために
子ども好きの両親に孫を持つ喜びを与えられない。
命のつながりを止めてしまう責任が私にはある。
その呵責も、その他の哀しみも寂しさも
ぜんぶ抱えて私は生きていく。

そうして私にしか見えない風景を見に行く。
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by emi_blog | 2013-06-22 22:43 | その他  

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