印刷機

アメリカの田舎で
日本製の印刷機に出会う。



名刺を新調した。
日本のデザイナーからデータを送ってもらい
近所の印刷屋で発注。

この印刷屋さん、今回初めて利用したのだが
新しいんだか古いんだか、なんだかわからない。
ウェブサイト(参照)はちゃんとしているし
いちおうオンラインで注文はできたようなんだけど
そのあと電話がかかってきて
なにやらのんびりしたやり取りになったので
「オヤ?」と思い始めた。

今日、出来上がった名刺を受け取りに行ってわかった。
正解は「ほぼ昭和」。
お客の対応をするはずのオフィスのドアはたぶん常時閉まっていて
「ガレージへどうぞ」の札がかけてある。
恐る恐るガレージを覗くと、中はレトロな雰囲気が漂う工場と倉庫。

ノックすると、オーナーらしきおばちゃんが出てきた。
用件を伝え、おばちゃんの後について
作業場を通り、先ほど外から見た“開かずのドア”の内側へ。
途中、注文内容を3度ほど確認され、
「そんなのあったかしら」などと言われつつも、
注文した名刺はちゃんとカウンターの後ろの棚にあった。
名刺の出来は問題なし。

支払いを済ませ、気になっていたことを質問。
こちらの印刷機は日本製なんですか?
「日本製?違うと思うけど?」とおばちゃんが言う。
でもウェブサイトに載っていた印刷機4台のうち3台は
日本のメーカーらしい名前でしたよ?
「印刷機って、うちのはShinoharaと…」
あぁ、それそれ!日本っぽい。
「Komori と…」
それも。
「もう一台の小さいのは、えぇと、何だっけ。
Heidelberg じゃなくて…」
それはドイツっぽいです。
「えぇと、あー、思い出せない」
いいですよ、と言うのも聞かず
おばちゃんはアナログな受話器をとって内線をかけている。
「あーJ?あのさぁ、うちのあの小さい印刷機、なんて名前?
おぉ、Hamada!そうそう。ううん、なんでもないの。
聞いただけ。じゃあね」
その3台は日本製だと思いますよ。

おばちゃんによると、いちばん大型のShinoharaは
開業の際に西海岸から運んできたもの、
あとはこの地に落ち着いてから買い足したもの。
「日本のメーカーとは知らなかった」とのこと。

帰宅後、この3社について検索してみると
それぞれ、「シノハラ・ジャパン」、「小森コーポレーション」(参照)、
「ハマダ印刷機械」のことだと判明。
シノハラは2011年に破綻(参照)、
ハマダは2009年に解散(参照)していた。
印刷業界のプロが書いているブログによると
ハマダは「日本の印刷機械メーカーを引っ張ってきた会社」(参照
だそうだ。
さっきまで何も知らなかったくせに、急に切なくなったりして。

おばちゃんに聞いた開業当時のエピソードは
1980年代の話だもんね。
時代はびゅんびゅん流れているのだよ。

見方を変えれば、その頃の機械が今も現役で
アメリカの田舎で働いているというわけで。
アメリカの印刷機販売サイトには上記3社の他にも
いくつか日本のメーカーらしき名前が並んでいる(参照)。
ざっと見たところ、インドやインドネシアなどアジアでも
日本の印刷機は活躍中の様子。

『和風総本家』(参照)と社会科見学とタイムトラベルを
一挙に体験したような、不思議な気分になった。
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by emi_blog | 2013-08-20 15:00 | その他 | Comments(0)  

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