Belated

「遅くなったけど、誕生日おめでとう」
のこと。



昨日とか先週とか、まぁ人によっては数週間前、
誕生日が過ぎた翌日以降に「おめでとう」を言いたいとき、
英語ではどう言うか。

「遅ればせながら」に当たるのは'belated' なので
それを"Happy Birthday" に入れればOK。
ネット検索すると、英語学習の専門サイト(参照)にも
個人のブログなどにも、“正解”が載っている。
"Happy Belated Birthday"。
めでたし、めでたし。

…で、話は終わらないのだよ。

ドイツ在住、イギリス英語を話すドイツ人が
数日前に誕生日を迎えていたことを知った。
私はアメリカ在住、アメリカ英語を話す日本人。
どちらも英語ノンネイティブ。
どちらも専門は英語教育。

アメリカ文化の中で暮らす私としては、
"Happy Belated Birthday"が自然。
でも英語教育的には、実はこれが“正しくない”ということも知っている。

たとえばこちらのフォーラム(参照)では
"Happy Belated Birthday vs. Belated Happy Birthday"
と題したスレッドで、熱いディスカッションが繰り広げられている。

ざっくり言ってしまえば
イギリスでは"Belated Happy Birthday"、
アメリカでは"Happy Belated Birthday"。

英語として“文法的に正しい”のは"Belated Happy Birthday"。
'belated' はその後に続く語を修飾するので
"Happy Birthday"というお祝いの言葉を述べることが「遅れた」のであれば
"Belated//Happy Birthday"とすべき。
"Happy//Belated Birthday"では、まるで「遅れた」のは誕生日で、
それをお祝いしているようだ、と。

まぁネイティブたちはこのあたりを知りつつ、
「イギリスの"Belated Happy Birthday"が正しいんだけど、
アメリカでは"Happy Belated Birthday"が普通よね」、
というところで落ち着いている。

これがノンネイティブになると、さらには英語のセンセイに出会うとなると、
「そういうもんよね」では済まない場面が出てくる。

たとえば日本人の私がイギリスへ行き、"Happy Belated Birthday"と言ったら
英語のセンセイはすぐ気づく。
そして
①アメリカ英語として見逃す、②ノンネイティブの誤用として正す
の、いずれかで対処するだろう。

ドイツ人がアメリカで"Belated Happy Birthday"と言った場合も
条件としては同じだけど
イギリスとアメリカじゃ、見逃し具合がずいぶん違うからね。
私に関しては、もう救いようのないアメリカ英語なので
イギリスの厳格なセンセイも諦めて見逃してくれるかな。
「アメリカではよくても、ここではダメ」と注意されるかな。

今回のケースでは、種類の異なる英語を教えるノンネイティブ同士という
立場として同等の二者間のコミュニケーションなので
“権威”が不在で、かえってややこしいわけだね。

念のため付け加えておくと、私はネイティブ崇拝には反対。
とはいえネイティブが優位に立つ力関係は
現実のものとして認めざるを得ないし、
それを変えられるとはあんまり思っていない。
ただし、英語にしろ、他の言語にしろ、その地位に胡坐をかいて
ノンネイティブとうまく付き合えないようなネイティブは
これからの時代、苦しいよ、と思うだけ。

で、結局ドイツ人には'belated' は抜きで
「おめでとう」を伝えたのでした。

めでたし、めでたし。
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by emi_blog | 2013-08-27 05:18 | 英語 | Comments(2)  

Commented by Hanya at 2013-08-29 13:33 x
こんにちは ^^)v

あれぇーーーー。そうなんですね。アメリカでは Happy Belated Birthday が普通なんですねー。その昔、よくホールマークなどのグリーティングカードを貰ったりした時に、Belated Happy Birthday と書いてあった気がして、今でも友人にそう書いてましたよ・・・。おやまぁ。知りませんでした。

印刷して売っているものだから文法的に正しいテキストになっていたのでしょうか。それとも25年位の間に(ひゃーーーw)、よりくだけたというか口語的表現に変わったりしてるのでしょうか。興味深いです。

それとはまた違うのですが、often の発音。当然ながら日本で英語教育を受けたワタクシはt を発音しないと教わったのですが、時々t の発音ありの人が割にいて。英語学校の先生だったと思いますが、(本当かウソか知りようもありませんが)「シカゴの人はt を発音する人が多いわね」って言っていた記憶があります。その後どんどんスペル通りにt を発音する人の割合が増えたような気がしていたのですが、これは気のせいでしょうかねぇ~。
Commented by emi_blog at 2013-08-30 05:44
Hanyaさま

アメリカでももともとは"BHB" だったはずですから、どこかの時点で"HBB" に変化したのでしょうが、25年以内だとすると思ったより最近ですね。私は基本的に友人の誕生日に遅れないので、いずれにしても使う機会はなさそうです。

'often' の発音はたびたび話題になりますね。時代とともに変化しつつ、世界全体としては「't' 発音する派」が多いようですが、日本には「発音しない派」が多いのでしょう。それはそれで、別にいいんじゃない?と思います。
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