全国学力調査

「英語好き、中3より小6 全国学力調査から」。
ほぉ?



朝日新聞デジタル 2013年8月28日号より(参照)。

全国学力調査で「英語をめぐる質問をしたところ、
英語を好きな子の割合も、留学したい子の割合も、
小6より中3の方が低いという実態が明らかになった」のだそうだ。

なにしろ私は数字に弱いのでね。
ゆっくり行こう。

英語を学び始めた時期は?との質問に対し、
小6の66.8%が「小4以前」、うち「小学校入学前」が17.9%。
「2011年度から小学5、6年生で外国語(英語)活動が必修になったこともあり、
調査時点でほぼ全員が英語学習を始めていた」。
一方の中3は、「小4以前」が41.6%。「中1以降」が19.8%。

えーと、だから何?
今の小6が中3になる3年後以降に調査すると
そのときの小6の回答と中3の回答は同じになりそう、という話?
大人になったとき、同世代かと思いきや
「英語は中学から始めた」と言った途端に
オジサンオバサン扱いされる、という
注射の痕とか昭和/平成などと同様の
切り替え時期前後に生まれた子たちあるあるの予言?

英語が「好き」または「どちらかといえば好き」と答えた子は
小6では76.2%、中3では53.3%。
これを受けて、専門家らしき方が次のようにコメントしている。
「中学では複雑な文法ルールの勉強が始まり、
紙のテストで間違うことで自己肯定感が低くなる。
小学校のように、正確さよりも意思疎通に重点を置いた
『話すこと』の指導も必要だ」。

だから、口を開く前に読みなさいって昨日言ったでしょ(参照)。
そんな手垢のついた寒いコメントしてちゃ、恥かくよ。

私は、中3の53.3%が「英語が(どちらかといえば)好き」ってのは
多いなぁと思った。
小学校レベルの英語を小学生の判断で「好き」と言われても
どれだけモノになるかわかったもんじゃないが
中学校レベルの英語を丸2年(調査は4月なので)受けた上で、
中学生の判断で「好き」と答えた53.3%は
将来にわたって英語を好きでいてくれる可能性が高い。
実際、英語が好きな日本人は多いもんね。
英語教育的ポイントは
「好きだけど使えない」をどうするか、ってことでしょうな。

そして小6の時点で
「(どちらかといえば)好きじゃない」と答えた23.7%、
実際の数にして26.7万人の子どもたちは
その後、中学高校で否応なしに教科としての英語をやらされるわけで。
大学入試を受けるなら、その時にも逃げられないわけで。
この点については考えなくていいのかしら。

質問はこの他に2問。
「外国の人と友達になったり、外国のことについてもっと知ったり
してみたいと思いますか」(なぜか記事ではカット)と、
「将来、外国へ留学したり、国際的な仕事に就いたり
してみたいと思いますか」。
記事をぼんやり読んでいると、この部分も英語の話かと思っちゃうけど
この2問には言語が特定されていない。
回答する子どもが、どこの国、ナニジンを想定したかは不明。
なにしろこれは『外国に対する興味・関心』の調査であって
『小学校英語』についての調査じゃないからね。

そもそも、小6と中3では海外移住や留学、就職についての
理解やそれに基づくイメージが違うだろうし、
現在の小6と中3を比べるということに意味があるとは思えない。
小学校英語教科化を見据え、後々経年変化をみるために使う
“小学校英語必修スタート直後”の資料を作ったと考えるのが妥当だろう。

私の場合、小6では、英語は「まだ学習したことがない」、
外国は「興味なし」。
お遊戯やゲーム、歌は好きじゃなかったから
もし学習を始めていたら英語はたぶん「好きじゃない」。
中3では、英語は「どちらかといえば好き」、外国は「興味なし」。
現在、英語は「どちらかといえば好きじゃない」、
外国は…うーん、悩むなぁ。

ちなみに元データは国立教育政策研究所のサイトにて
絶賛公開中。
『平成25年度 全国学力・学習状況調査 報告書』のうちの
『質問紙調査』のPDFを開き、p.63-64を見るとそこにある(参照)。
けど、まぁ普通は見ないよね。

私が感心したのは、この調査の実施スケジュール。
この調査は授業時間を使ってぶっ続けで行われており、
『外国に対する興味・関心』を含む質問紙調査は
小学校で国語と算数についての調査120分(1-3時限)、
中学校で国語と数学についての調査180分(1-4時限)の後、
最後に行われている。
これに回答する頃には、もう、ヘットヘトだっただろうね。
お疲れ、お疲れ。

子どもたちの多大なる協力によって得られたデータ。
ぜひ有効に活用してほしい。


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by emi_blog | 2013-08-29 05:26 | 教育 | Comments(0)  

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