『フィンランド・メソッド入門』

『図解 フィンランド・メソッド入門』を読んだ。



まずは、有名な『議論のルール』(p.69)を
改めてここに引用しておこう。
フィンランドのある小学校の5年生が自分たちで考えた、
円滑に議論をするためのルール。

1. 他人の発言をさえぎらない。
2. 話すときは、だらだらとしゃべらない。
3. 話すときに、怒ったり泣いたりしない。
4. 分からないことがあったら、すぐに質問する。
5. 話を聞くときは、話している人の目を見る。
6. 話を聞くときは、ほかのことをしない。
7. 最後まで、きちんと話を聞く。
8. 議論が台無しになるようなことを言わない。
9. どのような意見であっても間違いと決めつけない。
10. 議論が終わったら、議論の内容の話はしない。

『図解 フィンランド・メソッド入門』。
副題として、
「①発想力 ②論理力 ③表現力
④批判的思考力 ⑤コミュニケーション力
世界初!フィンランド国語教育を5つのメソッドで解説」
とある。

読み進めながら、「いるいる」と、いろんな人の顔が浮かんだ。

たとえば、上記ルールの8。
「そもそも論」を持ち出して、さも別の角度から
議論に鋭く切り込んだように見せかけて、
おそらくは本人もそう誤解して、
実は議論を台無しにする人。
こういう人って「ほとんどは優越感に浸りたいだけ」(p.71)。

テーマを与えられても「何も思いつかない」人(p.29)。
答えをもらって、その通りやることに慣れてしまい、
思考停止状態になってるんだよね。
「短絡的な思いつきばかり」で、
「テーマからどんどん外れていってしまう」人も
本質的には同じ。
単に話を引き伸ばすだけで、中身がない。

また、「自分の気持ちを完全に押し殺して
コミュニケーションをはかろうとする」人(p.72)。
いわゆるイエスマン。
「軽い話題」「無意味な言葉のやりとり」(p.74)以上の
深く、有意義なコミュニケーションができない。

そして、発想の枝をどんどん広げ、
独自の分析と解釈を論理的に組み立てて、
豊かな表現で説明できる人。
相手の意見をうまく取り入れ、考えを練りこんで
新たなアイディアを生み出せる人。

そんなふうに「いるいる」を楽しんでいたら
あっという間に読み終えてしまった。

日本の教育関係者や子どもを育てる人たちは
これを読んで、どう思うのだろう。
ちゃんと、生身の子どもたちの姿が思い描けているだろうか。
おとぎ話のように思っていないだろうか。
「いやぁ、素晴らしいけど、難しいよね」とか言うんだろうか。

「難しい」と言っておけば、
できない・やらない理由になると思うなよ。
難しいと思う理由は何か、そこを考えることから
逃げちゃダメだよ。

「いまひとつ何をしたいのかよくわからない日本の公教育に
一石を投じ」(p.83)、教育の「型」を提案するという目的で
この本が出版されて、8年。
何か変化はあったかなぁ。


北川達夫、フィンランドメソッド普及会. (2005). 図解 フィンランド・メソッド入門. 経済界.


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The Finland Phenomenon (2013/3/11)
教育の未来 (2013/5/28)
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by emi_blog | 2013-09-29 00:54 | 読書感想文  

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