土下座

クローズアップ現代、2013年10月8日放送
『氾濫する“土下座”』(参照)を見た。



胸が悪くなるような内容だった。
でも、日本のことを多少知っている人なら
この現象が現実に起きていることは容易に想像できるし、
こうなった経緯に理由付けもできるだろう。
不況、閉塞感、ストレス、メディアの影響などという言葉を
よく聞く。

私が気になっているのは
土下座をさせたいと思う人のこと。
このブログにもしょっちゅう書いているが
劣等感を抱え、優越感に浸るのが好きで、
誰かが自分の上に立つことに耐えられず、
自分の下に誰かを置くことで安心しようとする人たち。

「土下座をさせたい」という欲求を持つまでに
小さな積み重ねがいくつもいくつもあるのだろうと思う。
以下、シロウトの無責任で自由な想像。

たとえばそれは、幼稚園に入るぐらいのときに
「嘘をついてはいけない」と教わるところあたりに
たどりつくかもしれない。
なぜ、嘘をついてはいけないか。
「嫌われる」「信用されない」など、
対人的な理由が比較的わかりやすいので
子ども用の説明として使われることが多いのかもしれないが、
私はこれを個人の内面に関わる重大な問題だと考えている。

なぜ、嘘をついてはいけないか。
それは、あなたの心にモヤモヤが生まれるから。
なぜ、モヤモヤを持ってはいけないか。
それは、モヤモヤを消すことが、次の行動の動機になるから。
モヤモヤによって行動が支配されていくから。

一度生まれたモヤモヤはなかなか消えない。
モヤモヤした状態のまま、じっとしているのは苦しい。
モヤモヤを消そうとして動くと、モヤモヤは成長するので、
それに対抗するために行動は大胆になり、
過激化し、より悪質なものになっていく。
モヤモヤもまたそれに対抗して、大きく強くなる。
こうして、小さな嘘に始まったモヤモヤは進化を続け、
とうとう「土下座をさせたい」というところまで来る。
土下座をさせることに成功すれば、欲求は一瞬満たされるが
モヤモヤは消えない。
しかも、このモヤモヤは一つ前のモヤモヤより進化しているので、
もう誰かに土下座をさせたぐらいでは収まらない。
土下座をさせた人が次に何をするのか。
私はそれが恐ろしい。

なぜ、嘘をつかないほうがいいか。
それはモヤモヤと無縁でいられるから。
モヤモヤの種をまいてしまうと、後が大変だから。

それでも、モヤモヤをまったく持たずに生きることは難しい。
多くの人は、うっかり種をまいてしまい、
小さな芽が出るたびにあわてて摘む、ということを
繰り返しているのだろう。
嘘をついた後、バレてドキッとするというような経験が
モヤモヤを次につなげないために、ものすごく大切なのだ。

「このくらいならいいか」と放っておけば
モヤモヤは大きく育ってしまう。
それを自らの手で根こそぎ抜き、土壌を浄化して、
二度とモヤモヤが生えないようにするなんて、凡人にはできない。


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by emi_blog | 2013-10-14 04:13 | その他 | Comments(0)  

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