Drama

『事実は小説よりも奇なり』。
イヤ、本当に。



"Truth is stranger than fiction."
うーん。
"stranger" というより
"more dramatic" じゃないかな。

創作だったら安っぽくてわざとらしくてバカらしくて、
とてもじゃないけど盛り込めないようなことが
現実には平気で起きる。

それはたとえば120分の映画で、
丁寧に作りこまれたいろんな出来事があった後、
110分を過ぎてから初めて登場してきた人物が
いかにも美味しそうな主人公の大好物をいきなり持ってきて、
それまで冷静沈着だった主人公がそれをスッと口にして
「う!」とか言って倒れちゃう、みたいな。

そんなフィクションがあったら、観ている側はついていけない。
「えぇぇ?」ってなる。
「誰?え?なんで?」
「んなアホな」。
冒頭からの人物像やストーリーを無視しすぎじゃないの?
演出とか、伏線とか、そういうのはいいの?…と、
心配になっちゃう。
そのまま物語が終わろうものなら、消化不良になってしまう。
「カネ返せ!」と怒られるかも。

そういう、フィクションでは決して許されないことが、
現実にはしれっと起こり得る。
現実というやつは時にセンスもへったくれもなく、
超シンプルなことを、直球で、ひねらず、そのまんま、
図々しく出してくる。
カラクリと呼べるほどの構造も持たず、
ありえないことをサラッとやってみせる。
どんなに雑な仕上がりでも
現実世界の多層性と、
ページ数や時間に制限のない贅沢な環境が、
あらゆることの辻褄を合わせて、呑み込んでしまうのだ。

そして現実は
恥ずかしいほどバレッバレのトラップを携えて
この上なく怪しい臭いをプンプンさせて、
呆れるほど堂々と人を試しに来る。

普通なら、ひっかかるわけがない。
でも人は常に“普通”でいるわけではない。
だから、ひっかかる。
冷静になれば
「なぜあんなことを信じたんだろう」と不思議に思うけど、
それは後の祭り。

少し前の私なら、ひっかかっていた。
「自分はひっかからないタイプ」と高をくくっていたからね。
自己分析まがいのことをして、冷静な状態だと思い込み、
勝手な判断をしていたからね。
110分で初登場の人物が差し出す大好物に運命を感じて、
パクッと行くところだった。

危なかった。
[PR]

by emi_blog | 2014-04-16 18:39 | その他  

<< 考えすぎ 買出し >>