振り込め詐欺

“振り込め詐欺”の実体験を聞いた。



息子の名前を名乗ったから「オレオレ」じゃないし、
手渡しだったから「振り込め」でもない。
この手の詐欺は確実に進化してきている。
日本文化のいろんな要素を本当に巧みに利用した
卑劣だけれど見事な発明品である基本の仕組みをベースに、
実験と失敗を繰り返しながら日々経験を重ね、
データを蓄積し、分析し、取り込んで改良を施し、
綿密さに磨きをかけているのだろうと思う。

もちろん、あとから考えればツッコミどころは多々あるし、
被害者が自ら被害を招き入れてしまったような面もある。
でも、それも含めて、つまりまったく不完全なのに
まんまと成功してしまうというところに
この手の詐欺のすごさがあるのだと思う。
勝ち目、なし。

警察(参照)も政府広報(参照)も金融機関(参照)も
防止のために努力しているようだ。
高齢者たちも情報を共有し、知識を蓄えてはいる。
でも、残念だけど今後も詐欺は起きるだろうと思う。

私がこの手の詐欺の話を聞いて気になるのは
被害者周辺の人たちの反応。
被害者を責めるのはやめてあげてほしいと思う。
この手の話には、被害者に怒りをぶつけたり、
責めたり説教したりする家族や親戚が必ず登場する。
私はそこが、とても、とても哀しい。

子は自分の親がだまされたことが
恥ずかしいのかもしれないし、情けないのかもしれない。
詐欺のストーリーの中でマヌケに描かれた自分のことを
親が信じてしまったことが許せないのかもしれない。
なんらかの後悔や積もりに積もった何かが爆発して
怒りとなって現れるのかもしれない。
それは仕方ないことなのかもしれない。

家族や親戚は「だから言ったのに」と
つい言いたくなるものなのかもしれない。
新聞でもニュースでもしょっちゅう注意喚起してるでしょう、
手口も明らかになっているでしょう、
ご近所に被害者もいて、その経験談も聞いたでしょう、
子どもに直接確認すればよかったのに、
警察に相談すればよかったのに、etc.etc.

うん。
どれもこれも正しいよ。
おっしゃるとおり。
でも、いくら正しくても、すでにじゅうぶん弱っている人を
さらに追い込むようなこと、しなくてもいいじゃん。
その人は、被害者なんだよ?

詐欺にはなるべく遭わない方がいい。
でも、残念ながら遭ってしまったら、周りにできることは
被害者の心の傷が少しでも早く癒えるように
みんなで協力することじゃないですかね。

外国人やヨソの人たちにはもっと優しくできるじゃない。
ウチの人たちに対して別の感情が働くのは
そりゃおそらくある程度は仕方がないんだろうけど
あんまり厳しくしすぎないでほしいなぁ。

ちなみに私自身は高齢者ではないし、
人間のコミュニケーションについて少し知っていることもあるし、
すぐに相談したり裏を取ったりするタイプではあるが、
自分が詐欺に遭う可能性は、大いにあると思っている。
だって相手はプロだもん。
勝ち目、ないんだもん。
「自分は大丈夫」だなんて言い切る自信はまったくない。
それが私の被害者を責める気にならない理由だと思う。


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by emi_blog | 2015-12-31 04:00 | その他 | Comments(0)  

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