Impasse

敵ながらアッパレ。



Independent Studyのミーティングのため
K教授のオフィスを訪ねた。
指定された論文を読み込み自分の意見をまとめ
それをDefenceできるよう用意してきた。

にもかかわらず入るなり
「ちょっと大事な話がある」と。

州の教育費が削られ
州立大学として予算を減らされたということ。
ついては外注の高額教授のクラスを
再編成しなくてはいけないこと。
しかしTESOLのチーフ教授として
プログラムの質は落とせないということ。
苦肉の策としてあるクラスを
K教授が引き受けざるを得なくなったこと。

はぁ。大変ですね。

ところがK教授は他に毎年教えている
修士レベルのクラスが一つ。
来学期は博士レベルがさらに一つ。
編集者として発刊しているJournalが数冊。
出版予定の本の原稿もある。
さらにPhDの学生が6人もいるし
外国や他州の大学での講演も定期的にある。

ははぁ。それはそれは(てか持ちすぎじゃん?)。

「そこでだ。
この修士のクラスを私の代わりに教えてもらいたい。」

は?私が?無理無理無理。

「なにが無理なんだ?」

そのクラスって“SLA(第二言語習得)”って
TESOLではいちばん大事な理論の必修科目ですよね?
明らかに私の知識では足りません。

「教えることで知識はより深く身につくんだ。」

イヤイヤイヤ。
時間的にも厳しいですし。

「これは助手としての仕事になるので
12単位も取っている今学期より楽になるぞ。」

イヤイヤイヤ。
教える準備やプレッシャーに比べたら
1クラス多く履修するぐらいどうってことないですよ。

「ではこれを実習という形式にして単位をやろう。
そうすればもう1クラス減らせて時間が取れるだろう。」

イヤイヤイヤ。
私は性格的につい仕事を優先してしまうので
お引き受けすると学業が疎かになります。
学生として本末転倒です。

「それは教える立場の者として当然あるべき姿だ。
勉強は二番めにすればいいじゃないか。」

本当、無理っすよ。カンベンしてください。

「どうしてもと言うなら他を当たらないでもない。」

ええ、ゼヒそうしてください。

「しかし考えてみろ。
お金のこともだが経験として貴重じゃないか?
経歴として必ずプラスになるぞ?」

ぃいいぃやぁ。
そりゃお話としては大変光栄ですが、とてもとても。
自信ないです。

「最初の2-3週で慣れるさ。」

…などとすったもんだしているうちに時間が過ぎ
「論文の話もしなければ」となったが
すっかりうろたえてしまった私は
何を質問されてもしどろもどろ。
K教授も「今日はもうダメだな」とちょっと笑っていた。

私のアポの時間は終わり。
次の学生が待っている。

「さっきの返事だけども、ちょっと考えてみろ。」
はぁ…。
「45分ほどやるからNoだったらそう言いに来い。」
よんじゅうごふん?
「4時までに学部に返事をしなくちゃならないんでな。」
そんな無茶な。

じゃあ逆にYesだったら戻ってくることにしません?
「それでは君は絶対戻ってこない。」
ぐ…。
「じゃあ次が待ってるから。はい出た出た。」

ヘニャヘニャになってオフィスを出た。
誰か助けて。

姉弟子のMに電話すると幸いなことにキャンパスにいた。
MはK教授の不在時などにSLAを何度か代講している。
会いに行って事情を説明。
「ウワォ。すごいじゃない!」
イヤイヤイヤ、話はすごいけど
私には無理っしょ?
「なんで?無理じゃないでしょう?」
イヤイヤイヤイヤイヤ。

「やりたくないなら話は別だけど
ただ自信がないだけなら受けた方がいいと思うよ」。
“ただ”って…。

もちろん45分はあっという間に過ぎたが
あれは私に決断させるための冗談だろう。
とにかく頭を冷やしたい。
安全運転を心がけて帰宅。

その後、友だちや諸先輩、両親に相談。
私のキャラを掌握したK教授の交渉術を
絶賛する声が相次いだ。
さすが、去年あれだけモメたからねぇ。
学習したんだねぇ。
イヤイヤイヤ、そこじゃないから。
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by emi_blog | 2008-10-22 23:53 | 仕事  

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