Research

読む、書く、つくる、について。



私にとって読むこととは
ゴーグルをつけて
海底に沈められるようなもの。
口も耳も鼻も閉じ
真っ暗闇に目だけをカッと見開いて
あらゆる角度から全身にかかる圧の中
もがきながら光を求めてさまよう
本当に息苦しい作業。

書くというのは
そうしてたどり着いた光の下で行う作業。
まだ口を開くことは許されないが
深海でもがいたおかげで筋肉がついたのか
手足が自由に動かせるので
どうにかメッセージを発信することができる。
なにより明るい場所にいられるということが
気持ちを強く支える。

そしてつくるというのは
水面から顔を出し
呼吸をしにおいを嗅ぎ音を聞き
人と出会い言葉を交わして
朝が昼になり夜がまた朝になるのを感じながら
海中で見てきたことを陸へと揚げる作業だと思う。
大変なことも時にはあるけど
やっぱり楽しい方が大きい。

ところがこの陸揚げ作業は
途中で必ず欠品が見つかる。
海の底から上昇する過程で
見落としたか拾いそびれたか
失くしたかしている場合もあるが
それまでまったく頭になかったものが
陸に来て初めて必要だと気づくこともある。

となれば仕方がない。
また探しに行かなくては。

ゴーグルを新調して
お世話になったみなさんに別れの挨拶をしたら
口も耳も鼻も閉じ
ひとり、また水の奥へ戻る。
[PR]

by emi_blog | 2009-10-26 05:13 | 研究  

<< 上から目線 Overload >>