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日本から桜の便りが
ちらほら届く。



数年前から桜が花びらを散らすのではなく
花ごと落ちるというのをよく聞くようになった。
つぼみのまま落ちてしまうものもあるらしい。
気温の変化とか諸説あるようだが
鳥が蜜を吸うのも原因のひとつとされている。

私は日本の春にすっかりご無沙汰なので
その様子を目撃したことはまだないのだが
桜が花ごと落ちるというのは
どうやら歓迎されていない新現象のようだ。
ウグイスは梅の木にめったにとまらないらしいけど
もし目の当たりにしたら
2大スター夢の競演として大盛り上がりするだろう。
でも桜に鳥はダメですか。そうですか。

許せない理由はまず
桜が梅よりモテるせいだろう。
美しくはかないみんなのアイドルを
つついていじめる鳥は悪者だ。
そのうち『さくら保護ネット』とかいう
日本人お得意のアイディア商品が開発されて
各地のお花見スポットに張り巡らされるんじゃないかしら。
とんでもない興ざめだけど。

もうひとつは
ハラハラと花びらが舞う“桜らしさ”を楽しみたいという
まぁエゴというか固定観念のせいだろう。
確かに満開の桜が風に揺られたときの
花吹雪に包まれるあの幻想的な感覚は
他のものには替えがたい。
なにしろ日本人は桜の散りっぷりに
人生を重ねたりするほどの思い入れがある。
“ボタッと落ちる”ではなんとなく品がなくて
イヤなんだろう。

調べてみると普賢象という桜は
椿のように茎から花を落とすタイプらしい。
植物なんだから自然条件に応じて進化して
染井吉野もそういうふうになってきたのかもしれないじゃん?
まぁ熱狂的ファンのみなさんが
桜界トップに「いつまでも今のままでいてほしい」と
望む気持ちはわかるけどさ。

あるいはどっかの偉い学者が
「ソメイヨシノは花ごと落とした方が
木のためによいことがわかった」とかいう論文を発表したら
鳥は役に立ってるってことで
名誉を挽回するんだろうなぁ。

とにかく、始まったのは最近だとしても
桜はたぶん今後ずっと花ごと落ちる。
しばらくは「昔の方がよかった」と嘆いていてもいいけど
もうそうなっちゃったならしょうがないじゃん。
「今年も鳥が桜を落とす季節になったねぇ」と
風情を感じちゃえば?

とはいえ
次に日本でお花見する機会があったら
やっぱりガッカリするのかな。

by emi_blog | 2010-03-29 13:24 | 文化 | Comments(0)  

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